昨年11月に、スペイン大使館で行われました戸嶋靖昌画伯の個展。
同名の書籍(孤高のリアリズム)が講談社エディトリアルより発刊されました。
どのページを開いても、ひたすらにカッコよく
どのページを読んでも、高密度の衝撃に襲われます。
それはさながら、受け身の技のない、
相打ちを前提として書かれた、日本剣法の極意の書のようです。
印刷の色の忠実さ、
眼に沁み入るようで、
冬の旅 ー四つかりんー
の写真にクラクラとしてしまいました。
34ページに、作家の堀田善衛に捧げられた絵があり、
「Y.H.氏に捧げる」
とあり、同じイニシャルの人間として、関係ないながらも、ギクリと。。。
ちなみに、堀田善衛の堀田家は代々越中富山で廻船問屋を営んでおり、
南北朝時代の先祖は、南朝のために奔走し、
同地で活動されていた宗良親王に仕えていた、
という言い伝えが残っていたそうです。
このような魂の系譜に、
驚かずには、いられません。
本書に登場する、戸嶋が愛した文人、哲学者、画家、音楽家の肖像写真を眺めるのも、
本書の楽しみの一つであり、
改めて、
誰も彼も、風貌と呼ぶに相応しい、
これぞ、人間である。という思いがします。
まえがきには、人類の未来が語られており、
あとがきでは、宇宙が語られています。
この間に、戸嶋靖昌という芸術家の一生が、描かれています。
YH
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