最近、あまりにも不思議な古書との出会いが、立て続けに起こっておりますので、
忘れないうちに、留めておきたいと思います。
まずは、こちら。
太平記の小説本は、山岡荘八の新太平記、吉川英治の私本太平記などがありますが、
こちらは、 第二回の直木賞作品(昭和10年)、戦前の作品。
南北朝時代は皇室が二つ分裂した時代ですが、
足利家の内紛により、それがさらに三つに分裂した可能性もあり、
いざ、三つになってしまえば、四つになっても、五つになっても同じですから、
その時点で、現在に続く皇室が途絶えていた可能性もあったわけです。
それを阻止し、南北朝合体に尽力したのが、主人公の楠木正儀。
歴史上では、父の遺言を守らなかった裏切り者として描かれてしまう正儀ですが、
鷲尾雨工の筆によって、
後世の歴史家の眼をも煙にまく、斬新で、驚くべき智謀の将としての一面が描かれています。
そして、巻頭、巻末には、楠木同族会初代会長の山下太郎氏も文を寄せており、
これがまた、絶妙な解説で、本書の印象をより深いものにしています。
山下太郎氏は、満州太郎、アラビア太郎とも呼ばれ、
投機的な石油採掘事業を行い、戦後の日本経済の復興の礎になった方でもあります。
写真は、その山下太郎氏直筆の書。
「時局を鑑み、本書を机下に献ず」
これが、通販で手元にやってきたのだから、驚きです。。。
全六巻ですが、丁寧に、一冊一冊に署名がされておりました。
有り難く、使わせて頂きます。
YH
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